嘘つき運命ごっこ
私の手に触れたのは、かばんの感触じゃなくて、大きな手のひら。

ぎゅっとつかまれた後、息をする間もなく、強く引かれた。


まばたきも出来ず、私の体は広い胸の中にいた。


「……え?」


腕は、背中に回って。

視界が、すごく狭くて。

理解をするのに、時間がかかった。


抱きしめられて……る?


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