嘘つき運命ごっこ

直子さんが用意してくれた朝食を食べて、先に出た学さんを見送って、瑞貴が迎えに来るまでの間、折りたたみミラーで顔を確認。

さっき、大分冷やしたから、朝一に見た時よりは腫れが引いてマシになってる。

でも、まだ視界は狭い。

今日は、あまり人に見られたくないな……。

前髪がもう少し長かったら、ごまかせたんだけどなあ。


「芙結、いつまで気にしてるんだ?お前、いつもそんな顔だろ。変わらないって」


パパが、呆れたようにコーヒーを口にする。

慰めたつもりかもしれないけど、それはそれで腹立つな。
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