嘘つき運命ごっこ
どうして私が、瑞貴を嫌いに?

そんなこと、絶対にありえないのに。


「待って、顔が見たくないって、なんで……」


シュンと落ち込む子犬みたいな姿に、慌てて否定をしようとして、自分の行動を振り返った。

そうだ、私、自分の顔を見られたくない一心で、瑞貴がどう思うかなんて考えてなかったんだ。


「ごめんね、違うよ。今日、顔がブスだから、見られたくなかったっていうか……」

「え?」


見られたくないって行ったのにも関わらず、瑞貴は私をじっと見る。

ガン見。

そして、首をかしげて、ひと言。


「どこが?」


いつもブスだろって意味かな。
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