嘘つき運命ごっこ
「言ったでしょ?梨沙子は、芙結ちゃんが一番好き。それは、今でも同じだよ」


ああ、やっぱり可愛いな。

私は、リサになりたかった。


「赤い糸って、繋がってなきゃいけないの?赤い糸がないと、人を好きになっちゃいけないの?」


リサの明るい質問に、首を横に振る。


「うん、だよね。糸なんて何も見えなくても、梨沙子は芙結ちゃんが大好きだよ」


私はリサになりたかった。


可愛くて、女の子らしくて、……瑞貴の運命の人。

だけど、それはありえないことだから。


運命じゃなくても、私は私のままで……瑞貴のことが好き。
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