嘘つき運命ごっこ
「瑞貴、それって……」

「わざわざ、人のいないところに呼び出して、改まって言いたいんでしょ?分かるよ」


その口ぶりだと、本当に……?

分かっていて、その調子なの?
その表情なの?

少しも、嬉しそうじゃない。


あれ?
これって、告白してもいいのかな?


今さら怖気づいて、言葉を出すのをためらっていると、


「芙結、義理のお兄さん……、赤い糸の人と付き合うことになったんじゃないの?だから、わざわざ呼び出して報告してくれたんでしょ?」


予想もしていなかった言葉が、耳を通り抜けた。
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