嘘つき運命ごっこ
パカッと口を開けて、瑞貴はゆっくりと自分の頬に手を持っていった。

そして、ぎゅっと指でつまんで、


「……痛い。夢じゃない」


そんな古典的な。


一連の流れが何だかおかしくて、ずっと緊張していたはずなのに、力が抜けて笑ってしまった。


「うん、夢じゃないよ。私、本当はずっと瑞貴が好きだったの」
< 249 / 261 >

この作品をシェア

pagetop