嘘つき運命ごっこ
「本当はね、瑞貴の小指にも、赤い糸が見えてたよ」


今もまだ。

それは、相手を間違えることなく、迷わず校舎へと繋がっている。


「私も、学さんと繋がってる。でも、それでも……、瑞貴が好きなの」


今でもまだ、瑞貴は私を好きだと言ってくれる。

もしかしたら若菜の時みたいに、この先赤い糸がほどける日が来るのかもしれない。


それでもまだ、繋がっているから……。
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