嘘つき運命ごっこ
*
早く登校しすぎたひとりの教室で、梨沙子は自分の右手を見て呟いた。
「まさか、芙結ちゃんにも糸が見えていたなんて」
梨沙子は、自分の右手小指に結ばれた、青い糸を見つめた。
「梨沙子と瑞貴くんには、青い糸なんだけどなあ。芙結ちゃんは、全部が赤に見えてるのかな」
梨沙子には、見えていた。
入学式当日、隣同士に並んで、赤い糸を繋いでいる芙結と瑞貴の姿を。
そして、目の前で結ばれた、自分と瑞貴の青い糸が。
早く登校しすぎたひとりの教室で、梨沙子は自分の右手を見て呟いた。
「まさか、芙結ちゃんにも糸が見えていたなんて」
梨沙子は、自分の右手小指に結ばれた、青い糸を見つめた。
「梨沙子と瑞貴くんには、青い糸なんだけどなあ。芙結ちゃんは、全部が赤に見えてるのかな」
梨沙子には、見えていた。
入学式当日、隣同士に並んで、赤い糸を繋いでいる芙結と瑞貴の姿を。
そして、目の前で結ばれた、自分と瑞貴の青い糸が。