嘘つき運命ごっこ
怖気付いてしまうけど、これから一緒に暮らしていくんだし、初手でつまずいたくらいでめげてはいられない。


「学さんは、結構遅く帰ってくるんだね。学校遠いの?」

「この家に来てから、遠くなったから」

「そっか、その制服、東高だもんね。てか、あそこ名門だよね、すごい」


こちらも見ずに、淡々と答えながら歩く後ろをついていく。


階段を上がって、二階へ。

学さんの部屋は、私の部屋の隣の、空き部屋だったところ。


「あの、私、昨日変なこと言っちゃってごめんなさい。びっくりしたよね……」

「ああ、運命とか言ってたやつ?」

「……です」


ガチャッとドアが開く音が聞こえる。

そこは、私の部屋の隣。


「どこまでついて来んの?」
< 27 / 261 >

この作品をシェア

pagetop