嘘つき運命ごっこ


パパも仕事から帰宅して、夜七時。

直子さんが作ってくれた、夕飯を頂くことにした。

手を合わせて、「いただきます」を言う。

コロッケを箸で割って、口に運ぶ。


サクサクの衣の中には、トロトロのマッシュポテトと牛肉。


「わ、おいしい!」


感動して思わず口に出すと、なぜかドヤ顔になったのはパパ。


「芙結は、コロッケ作れないもんな」

「作れないわけじゃないもん。コロッケって、作るの大変なんだよ。時間かかるし」


そして、なぜか半分くらいは油の中でバラバラに散ってしまうし。

……って、これが作れないってことか。


「パパ、いつも簡単に、あれ食べたいってリクエストするけど、学校から帰ってきてからやるの、しんどいんだからね」

「でもこれからは、直子がいるから必要なくなったじゃないか」

「まあ、そうなんだけど」
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