嘘つき運命ごっこ
誰に言っても信じてもらえない、この特異体質。

幼稚園の友達は、揃って私を変な子扱いしたし、大人は子どもの戯言(ざれごと)だと最初から相手にしてくれなかった。


「ママ、ふゆの指にも赤い糸あるのかな?だれにつながってるの?」

「こら、芙結、そんなこともう人前で言っちゃダメよ。ママ変な目で見られちゃうんだから」


“糸”の話をするたびに、ママが悲しそうな顔で怒るから、これを口に出すことは悪いことなのだと、子供心ながらに悟った。

赤い糸は、運命の相手を結ぶものではないのかもしれない。

だって……


ママとパパの間は、繋がっていなかった。
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