嘘つき運命ごっこ
恐る恐る隣を見ると、まるで石像みたいに表情を変えず、機械みたいに規則正しい動き。

学さんにとっては、私の料理が上手くても下手でも関係ないか。

来年には、家を出るなんて言うくらいだし。


私にとってのこの出会いがあっさりしたものだったように、きっと彼にとってもそれは同じだったのだろう。


赤い糸で繋がった人たちの子ども同士も繋がっているだなんて、大分運命感じちゃうんだけどな。


ため息をついて、コロッケの付け合わせのいんげんを口に運ぶ。

あ、これもおいしい。


「学くんがこんなおいしい料理に慣れてるなら、明日からのご飯は出前にした方がいいかもな」


パパが笑って言った言葉に、首をかしげる。

明日からのご飯?
< 31 / 261 >

この作品をシェア

pagetop