嘘つき運命ごっこ
学さん、まだかな……。

リビングにある、壁掛け時計で時刻を確認する。

もう少しで、八時。

窓の外がピカッと一瞬間光って、そのたびに肩がビクッと震える。

雷は、どんどん近くなっている。


リビングのテーブルに置いた、スマホに目をやる。


『困ったことがあったら、いつでも呼んで』


……ううん。

首を左右に振る。


瑞貴に頼るなんて、絶対にダメ。


また、窓の外が光る。

私はついにテレビに目を向けるのをやめて、体育座りの膝に顔を埋めた。
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