嘘つき運命ごっこ
沈黙が続く。

気まずさはあるものの、体の震えは少しずつ治まってきた。

学さんは、ずっとそばにいてくれている。


雨と雷の音は、止まない。


「……学さんは、パパと直子さんの再婚には反対なの?」

「なんで?」

「最初からずっと、嫌そうだったから」

「母親の再婚に口出しするほど、そんなガキじゃないし」

「じゃあ……」


どうして?と、私が問いかけるより先に、学さんは諦めたようにため息をついた。
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