嘘つき運命ごっこ
玄関から、雷の光が漏れている。

だから学さんは、最初から全てを諦めているような目をしていたんだ。


ママがいなくなって、今までずっとパパとふたりきりでいた私には、学さんの気持ちを簡単に分かることなんて出来ない。


でも。


「ううん、これからは、もう絶対に大丈夫。だって、パパと直子さんは運命の相手だから」


体を乗り出して気合を入れて言うけど、学さんの反応は初めて会った時と同じ。


「は?運命とか、あんたそれ最初の時も言ってたけど、本気で言ってんの?」

「も、もちろんです!」


だって、私たちにも、パパたちにも赤い糸が……。

学さんは、眉を寄せる。


「だったら何で、また泣きそうな顔してんだよ」


……え?
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