嘘つき運命ごっこ
*
その日の授業が終わって、すぐに教室を飛び出した。
一年生の教室は一階だから、昇降口に近くて助かる。
新しいママは、もう来てるかな。
さすがにまだかな。
パパは仕事を午前中で切り上げると言っていたから、もう家で待っているはず。
新しい家族とは、一度家に集合してから、食事に出かけることになっている。
学校を出ると、正門前でウロウロと行ったり来たりしながら、スマホで通話をしている他校の制服の女の子とすれ違った。
他校生がうちの高校に、何の用があるのかは見ればわかった。
彼女の赤い糸は、学校の中へ続いていたから。
「まだ終わんないの?人の学校の前って、居心地悪いよ。ねぇ、早く来て。……え?補習?もう、バカ」
会話から察するに、彼氏は校内の人だ。
きっと、彼女の糸は彼に繋がっている。
めずらしい……。
久々に見た。
ちゃんと相手を見つけた人。
……私にも、いるのかな。
その日の授業が終わって、すぐに教室を飛び出した。
一年生の教室は一階だから、昇降口に近くて助かる。
新しいママは、もう来てるかな。
さすがにまだかな。
パパは仕事を午前中で切り上げると言っていたから、もう家で待っているはず。
新しい家族とは、一度家に集合してから、食事に出かけることになっている。
学校を出ると、正門前でウロウロと行ったり来たりしながら、スマホで通話をしている他校の制服の女の子とすれ違った。
他校生がうちの高校に、何の用があるのかは見ればわかった。
彼女の赤い糸は、学校の中へ続いていたから。
「まだ終わんないの?人の学校の前って、居心地悪いよ。ねぇ、早く来て。……え?補習?もう、バカ」
会話から察するに、彼氏は校内の人だ。
きっと、彼女の糸は彼に繋がっている。
めずらしい……。
久々に見た。
ちゃんと相手を見つけた人。
……私にも、いるのかな。