嘘つき運命ごっこ
*
ふたりで朝食を食べ終わり、遠くの高校に一足早く家を出た学さんを見送り、私はひとりリビングでボーッとしていた。
目の前に開いた右手を掲げて、見つめる。
初めてだったな……。
ママが出て行ってから、雷の夜にそばにいてくれた人は。
「……」
なんだろう、この気持ち。
昨日は暗かったし、雷の光と音が怖くて、あまり意識する余裕もなかったけど……。
思い出すと、あの近すぎた距離が恥ずかしくなる。
ふたりで朝食を食べ終わり、遠くの高校に一足早く家を出た学さんを見送り、私はひとりリビングでボーッとしていた。
目の前に開いた右手を掲げて、見つめる。
初めてだったな……。
ママが出て行ってから、雷の夜にそばにいてくれた人は。
「……」
なんだろう、この気持ち。
昨日は暗かったし、雷の光と音が怖くて、あまり意識する余裕もなかったけど……。
思い出すと、あの近すぎた距離が恥ずかしくなる。