嘘つき運命ごっこ
「中学の時からの友達なの。ほら、昨日、教室に来た子」

「あの子?へぇ……」


私が説明をすると、リサは何かを考えるように顎に手を当てた。

なんだろう?


「そういえば、瑞貴とリサがふたりきりでいるなんて、めずらしいよね」

「うん、芙結がまだ教室に来る前に、また三年の男子がリサちゃんを見に来たから、こうやって」


瑞貴が、両腕を開いてみせる。

ずいぶんベタな護り方を。


リサを見ると、思い出してしまったのか、ほんのり涙目になっている。


「ごめんね、リサ、そばにいられなくて」

「ううん、そんな……!本当は、梨沙子が自分でなんとかしなきゃいけないのに、いつも芙結ちゃんたちに頼っててごめんね」

「いいの、いいの、友達なんだから」

「芙結ちゃん……」


ジーンと感動しているのか、リサから熱い眼差しを感じる。

そんな私たちを、瑞貴は嬉しそうに見守っていた。
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