嘘つき運命ごっこ


「今日も付き合ってくれなくてよかったのに」

「いいじゃん。もうちょっと長く、芙結と一緒にいさせてよ」


放課後になり、食材を買いに行く私に、またもや瑞貴はついてきた。

さらに、店を出たあとに買い物袋まで持ってくれている。

しかも、満面の笑みで。


「買った食材から見るに今日はー、……あ、カレーかな?チキンカレー。当たり?」

「ううん、オムライス。チキンライスが、カレー味なの」

「惜しーい。てか、ふたりきりでオムライスとか、完全に新婚さんじゃん。芙結の手料理、うらやましいなぁー」


瑞貴が、唇をタコみたいにとがらせて、いじけた表情を作る。


数少ない得意料理のひとつってだけなんだけど。

あと、オムライスが新婚さんって、なに?
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