嘘つき運命ごっこ
私の疑問を無視して、パパは慌てた表情で告げる。


「お、おばあちゃんの家?なんで……」

「おじいちゃんが亡くなったんだ!旅行中に連絡が入って、急いで帰ってきた」

「え!?」

「じゅ、数珠……数珠はどこにしまって、あ、芙結は数珠持ってないよな。いや、子どもは別になくてもいいのか?あとは黒のネクタイと」

「ちょ、ちょっとパパ」

「芙結は制服で参列だからな。いつものあの短いスカートじゃだめだぞ」

「え、……ええ?」


動揺して、自体がつかめない私をよそに、パパはバタバタとその辺を動きまくる。

直子さんに目をやると、不安そうな顔をしている。


学さんは、心配そうに私を見ていた。
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