嘘つき運命ごっこ
*
「おばあちゃん!」
おじいちゃんの遺体が安置されている病院に到着し、待合所で顔を両手で覆って座っているおばあちゃんに声をかける。
私の声を聞いた瞬間、小さく縮こまっていたおばあちゃんは顔を上げ、真っ赤な目を細めて笑った。
「芙結ちゃん、遠いところをありがとう」
「ううん、おばあちゃん、辛い時にひとりで寂しかったでしょ?」
おばあちゃんは泣きそうな顔で笑い、椅子から立ち上がった。
「栄一も、旅行中だったのにごめんね。おじいちゃん、まだ遺体安置室で眠ってるから、一緒に会いに行こう」
フラフラとおぼつかないおばあちゃんをふたりで支えながら、指を差す方向へと向かう。
場所を案内してもらわなくても、私には、その場所がどこにあるのか分かっていた。
大好きなふたりの赤い糸が、まだ繋がっていたから。
「おばあちゃん!」
おじいちゃんの遺体が安置されている病院に到着し、待合所で顔を両手で覆って座っているおばあちゃんに声をかける。
私の声を聞いた瞬間、小さく縮こまっていたおばあちゃんは顔を上げ、真っ赤な目を細めて笑った。
「芙結ちゃん、遠いところをありがとう」
「ううん、おばあちゃん、辛い時にひとりで寂しかったでしょ?」
おばあちゃんは泣きそうな顔で笑い、椅子から立ち上がった。
「栄一も、旅行中だったのにごめんね。おじいちゃん、まだ遺体安置室で眠ってるから、一緒に会いに行こう」
フラフラとおぼつかないおばあちゃんをふたりで支えながら、指を差す方向へと向かう。
場所を案内してもらわなくても、私には、その場所がどこにあるのか分かっていた。
大好きなふたりの赤い糸が、まだ繋がっていたから。