嘘つき運命ごっこ


病院で手続きを終え、3人で祖父母の家に向かうことにした。

葬儀が済むまでは、パパと一緒に留まることになる。


「おじゃまします」


年季の入った一軒家を見上げ、懐かしい気持ちになる。

最後に訪れたのは、今年の正月。

そんなに期間は開いていないのに懐かしいなんて、変な感じ。


おじいちゃんが倒れて、慌てていた時のままなのだろうか。

途中まで畳まれてある洗濯物。

リビングには、すっかり冷めた緑茶入りのコーヒーカップがあった。


おじいちゃん、また会えると思ってたのにな……。
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