嘘つき運命ごっこ
次はリサに……──

──ピコンッ。

「わ」


リサとのトーク画面を出そうとすると、間髪入れずに瑞貴から返信があり、つい声が漏れた。


『芙結は大丈夫?』


ひと言、ただ私を心配するメッセージにホッとして、今まで自分が気を張っていたことに気づいた。


『大丈夫だよ。オムライスはまた今度ね』

『ずっと待ってる』


瑞貴との短いやり取りに、「ふう」と息を吐く。


「芙結ちゃんの彼氏くん?」

「わあ!?」


おばあちゃんがいることに少しも気づかず、背後から声をかけられて、思わず声を上げてしまった。
< 98 / 261 >

この作品をシェア

pagetop