嘘つき運命ごっこ
「おばあちゃん、びっくりした……。彼氏とかじゃないよ。友達」

「そうなの?芙結ちゃんがニコニコしてるから、好きな男の子だと思った」

「やめてよ、仲がいいだけだから」

「そう」


あ、笑ってる。

おばあちゃん、ずっと悲しそうな表情だったから、少し落ち着いたみたいでよかった……。

右手には、相変わらず赤い糸が見える。

相手が亡くなっても、この糸は消えたり切れたりしないものなんだ。

正に運命。

そんな人と、生涯一緒にいられたなんて、なんて素敵なんだろう。
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