兵士となった幼馴染の夫を待つ機織りの妻
以前より厚みのある胸筋に、鋼のように引き締まった体躯。ようやく自分を守る男の熱を感じ、雪乃は張りつめていた糸を緩めると眦から涙を流す。恐怖で染まっていた心が、喜びに塗り替えられていく。
「もう、会えないと……」
「すまない」
短く答えた彼は、指の腹で雪乃の涙を拭う。労わるように優しい目をした清隆は、雪乃の髪を大きな手で撫でた。
「待たせたな……もう、大丈夫だ」
「でもっ、藩主様の娘と祝言を挙げるって聞いたわ」
「お前がいるのに、そんなこと、できるわけがない」
それでも、村長は旧藩主には逆らえない。清隆を望まれたのであれば、自分が身を引くしかないと思っていた。とめどなく流れる雫をそのままに、雪乃はしゃくり上げながら言葉を繋ぐ。これまでの三年間の想いの丈をぶつけていた。
「……雪乃、すまなかった」
「あなたっ」
全てを吐き出すとようやく、雪乃は涙を止めて清隆を見上げる。男ぶりを増した彼は、日に焼けて精悍な顔つきになっていた。見つめ合っていると、自然に彼の顔が降りてきて唇に温かい感触が残る。
「っ、……んっ」
「もう、会えないと……」
「すまない」
短く答えた彼は、指の腹で雪乃の涙を拭う。労わるように優しい目をした清隆は、雪乃の髪を大きな手で撫でた。
「待たせたな……もう、大丈夫だ」
「でもっ、藩主様の娘と祝言を挙げるって聞いたわ」
「お前がいるのに、そんなこと、できるわけがない」
それでも、村長は旧藩主には逆らえない。清隆を望まれたのであれば、自分が身を引くしかないと思っていた。とめどなく流れる雫をそのままに、雪乃はしゃくり上げながら言葉を繋ぐ。これまでの三年間の想いの丈をぶつけていた。
「……雪乃、すまなかった」
「あなたっ」
全てを吐き出すとようやく、雪乃は涙を止めて清隆を見上げる。男ぶりを増した彼は、日に焼けて精悍な顔つきになっていた。見つめ合っていると、自然に彼の顔が降りてきて唇に温かい感触が残る。
「っ、……んっ」