兵士となった幼馴染の夫を待つ機織りの妻
 次男で畑を持たなかった清隆は国が兵を集めた時、三年働けば畑を買えるだけの報酬が得られると聞き自ら名乗り出る。

 まだ十六歳の幼な妻を置いていくのは忍びないが、今頑張れば畑を買って独立できる。

「雪乃……帰ってきたら、子どもいっぱいつくろうな」
「うっ……んっ、んんっ」

 清隆は雪乃を獣のような姿勢にすると、後ろから股の間に擦りつける。ささやかな胸を揉まれながら耳元で「好きだ、ゆきの」と囁かれると身体の中心が熱くなる。

 雪のように真っ白な柔肌に赤い痕を散らしながら、清隆は大柄な身体を重ね腰を穿つ。「……っ、くっ」とうめき声を上げ腰を震わせると、欲望を雪乃の背にかけた。

 はぁはぁと息を整えていると、背中を手拭で拭いた彼は汗ばんだ肌を重ねるようにくっつける。平たい布団の上で、そのまま力強い腕に抱かれると幸福感でいっぱいになった。贅沢も何もできなかったけれど、彼がいるだけで良かった。

 でも、そんな愛しい日々から三年。雪乃はほっそりとした身体つきに、艶めかしいほどの色気をまとう美女となっていた。時折ねっとりとした視線を感じるが、清隆の両親たちが見守っている。

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