追放予定(希望)の悪役令嬢に転生したので、悪役らしく物語を支配する。
「いつもお世話になっている師匠とその奥様がいい記念を過ごせますように」
「ああ、ありがとう」
普段は仏頂面なのに師匠は大事そうにその紙を受け取って、私にお礼を述べた。
うん、個人的に師匠のこういうところには非常に好感が持てる。
だけど、ここが乙女ゲームの世界である、という観点で考えた時どうしても疑問がわく。
師匠ルートは確か教師×生徒モノで、師匠は独身だったはず。
この設定のズレは何だ?
「師匠ほんとに奥様に関してだけは、素直ですね〜。いいなぁ、私もまたエリィ様にお会いしたい」
悪役令嬢的には師匠との円滑な関係の構築と今後の展開のカギを握るエリィ様の情報収集も兼ねて、エリィ様とは定期的に接触したいところだ。
「まぁ、そのうちまたエリィもここに来るだろうし、家に遊びに来てもいい。リティカが来るとエリィが喜ぶ」
なんやかんやで師匠が私の面倒を見てくれているのは、師匠の奥様であるエリィ様が子ども好きと言うところが大きい気がする。
私の見た目年齢まだ子どもで本当によかった。魔法省に足を踏み入れた当日、エリィ様がお越しになっていなかったら、私多分師匠のツレなさ加減に心が折れてたわ。
「……師匠、本当奥さん好きですね」
「世界で1番愛してる」
ドきっぱりとそう言い切った、師匠のキラキラ笑顔がまぶしすぎて、目が眩みそうだ。女子なら一瞬で恋に落ちるだろう。
くっ、このイケメンがぁぁああ!! どこでもかしこでもフラグ立ててんじゃねーと叫びたいのをぐっと我慢して。
「師匠、早くお帰り下さいませ。きっとエリィ様可愛く着飾って、師匠の事待ってますよ」
師匠のことをそう促す。
師匠の原動力の9割が奥様であるエリィ様絡みだ。こんな師匠が数年後に離婚するとは私にはとても思えない。
と言うことは、エリィ様の身に何か起きる可能性も考えておいた方が良いのかもしれない。
「そうだな。帰る……が、リティカ。お前ソレどうする気なんだ」
そんなこと考えていた私の頭上に師匠からの指摘が落ちてくる。
「ふぇぇ!? なにこれーーーー!!!!」
それ、と師匠に言われ、師匠の視線を辿っていけば、私がせっかく錬成した初級ポーションがきれいさっぱりなくなって、代わりにさっきまで無色透明だったそれは身体が水色に変わりスライムっぽさが増した上、はっきりと見てわかる顔ができていた。
え? まじでどういうこと?
もう完全に生き物じゃん! 可愛いんだけど、目が点になるわ!!
「リティカ、お前はちょっと特殊らしいな。それについては、まぁまた後日検討ということで」
そう言い残して、師匠は本当に私を放置で帰っていった。
えーー。
このスライム(仮)どうしたらいいの? 師匠、早く帰りたいのわかるんだけど、せめて不出来な弟子の後片付けまでは付き合って欲しかった。スライム(仮)の取り扱いがほんとにわからないんだけど。
「はぁ、師匠の言う通りまた後日考えよう」
悩んだところでどうにかなるとも思えないし、危険なものならさすがの師匠も放置しないだろう、多分。
とりあえずスライム(仮)は連れて帰ることにした。
「ああ、ありがとう」
普段は仏頂面なのに師匠は大事そうにその紙を受け取って、私にお礼を述べた。
うん、個人的に師匠のこういうところには非常に好感が持てる。
だけど、ここが乙女ゲームの世界である、という観点で考えた時どうしても疑問がわく。
師匠ルートは確か教師×生徒モノで、師匠は独身だったはず。
この設定のズレは何だ?
「師匠ほんとに奥様に関してだけは、素直ですね〜。いいなぁ、私もまたエリィ様にお会いしたい」
悪役令嬢的には師匠との円滑な関係の構築と今後の展開のカギを握るエリィ様の情報収集も兼ねて、エリィ様とは定期的に接触したいところだ。
「まぁ、そのうちまたエリィもここに来るだろうし、家に遊びに来てもいい。リティカが来るとエリィが喜ぶ」
なんやかんやで師匠が私の面倒を見てくれているのは、師匠の奥様であるエリィ様が子ども好きと言うところが大きい気がする。
私の見た目年齢まだ子どもで本当によかった。魔法省に足を踏み入れた当日、エリィ様がお越しになっていなかったら、私多分師匠のツレなさ加減に心が折れてたわ。
「……師匠、本当奥さん好きですね」
「世界で1番愛してる」
ドきっぱりとそう言い切った、師匠のキラキラ笑顔がまぶしすぎて、目が眩みそうだ。女子なら一瞬で恋に落ちるだろう。
くっ、このイケメンがぁぁああ!! どこでもかしこでもフラグ立ててんじゃねーと叫びたいのをぐっと我慢して。
「師匠、早くお帰り下さいませ。きっとエリィ様可愛く着飾って、師匠の事待ってますよ」
師匠のことをそう促す。
師匠の原動力の9割が奥様であるエリィ様絡みだ。こんな師匠が数年後に離婚するとは私にはとても思えない。
と言うことは、エリィ様の身に何か起きる可能性も考えておいた方が良いのかもしれない。
「そうだな。帰る……が、リティカ。お前ソレどうする気なんだ」
そんなこと考えていた私の頭上に師匠からの指摘が落ちてくる。
「ふぇぇ!? なにこれーーーー!!!!」
それ、と師匠に言われ、師匠の視線を辿っていけば、私がせっかく錬成した初級ポーションがきれいさっぱりなくなって、代わりにさっきまで無色透明だったそれは身体が水色に変わりスライムっぽさが増した上、はっきりと見てわかる顔ができていた。
え? まじでどういうこと?
もう完全に生き物じゃん! 可愛いんだけど、目が点になるわ!!
「リティカ、お前はちょっと特殊らしいな。それについては、まぁまた後日検討ということで」
そう言い残して、師匠は本当に私を放置で帰っていった。
えーー。
このスライム(仮)どうしたらいいの? 師匠、早く帰りたいのわかるんだけど、せめて不出来な弟子の後片付けまでは付き合って欲しかった。スライム(仮)の取り扱いがほんとにわからないんだけど。
「はぁ、師匠の言う通りまた後日考えよう」
悩んだところでどうにかなるとも思えないし、危険なものならさすがの師匠も放置しないだろう、多分。
とりあえずスライム(仮)は連れて帰ることにした。