追放予定(希望)の悪役令嬢に転生したので、悪役らしく物語を支配する。
「ほら、お嬢。油売ってないでキリキリ働いてください。あちらでお客様がお待ちですよ」
クロエと談笑しているとセドが私とクロエの間に割って入ってきた。
「……セド、なんで特別クラスのあなたがここにいるのよ」
「俺がいる方が売り上げ上がるでしょう?」
演劇は裏方なんで今暇なんです、と勝手に私のクラスでボランティアに勤しんでいるセド。
しかも公爵家の仕着せである執事服で。普段学園内では制服姿のセドが、執事服を身に纏い、執事のような対応をしている。
そんな彼を一目見ようと押し寄せる淑女の皆様。
さすが攻略対象。隠しキャラなだけあって集客率もチートだわ。
そんなわけで他クラスのセドがいるというのに誰も異議を唱えない。
「全く。なら学生らしく学内周ってくればいいでしょう?」
たまには羽を伸ばせばいいのに、と呆れる私に。
「俺的にお嬢のそんな姿見られるなんてご褒美でしかないんで、充分楽しんでますよ」
宝石みたいに綺麗な金色の瞳が揶揄うようにそう笑う。
「本職なら絶対ありえない絶妙な丈のメイド服とニーハイとローファーによって惜しげもなく晒されるお嬢の脚線美! ドジっ子メイド案も良かったですけど、やっぱお嬢はツンデレ属性で正解でしたね」
いいね、と言わんばかりに親指を立てるセド。
いや、いいんだけど。
やろうっていったの私なんだけど。
でもさぁ、公爵家に仕える身としては一応止めようよ?
なんか改めて言われると居た堪れなさを覚えるわ。
「……あなた、本気で楽しんでるわね」
「後でお嬢のメイド姿公爵家および城内にばら撒いて布教しようかと思うレベルで楽しんでます」
公爵様にお嬢の勇姿を撮影してこいって頼まれました、と映像記録水晶片手にとんでもないことを言い出した。
「はぁ? ちょっと、私聞いてないわ! というか絶対やめて頂戴」
流石にそれは恥ずかし過ぎる。
「いやまぁでも俺の雇い主公爵様なんで」
お嬢の側にいられるなら俺は喜んで権力に屈しますと、セドは堂々と主人である私の事を売る。
「お父様めぇーーーー!」
ふるふると肩を振るわせる私に、
「公爵様はともかく、城内布教はダメよ! こんな可愛いリティカ様を晒して攫われでもしたらどうしてくれるの?」
学園祭の準備を通して親しくなった体で通しているクロエがセドを止める。
「そこは俺が全力でお嬢をお守りしますのでご安心を」
恭しく礼をしてにこっと微笑むセド。リティカ強火担のセドは私に優しい相手には基本的に友好的だ。
そんなセドの笑顔の破壊力は相当だったようで、顔を赤らめたクロエは、
「私、カップリング固定だったのですけれど、主従カプも推せる気がしてきましたわぁ」
一途な純愛系も推せると両手を頬にあててそんな事を宣う。
「お嬢、愉快な友達できてよかったですね」
「……クロエ、私で妄想するのはやめて頂戴。切実に」
これを愉快で済ませられるのはクロエの本気度を知らないからよとそんなことセドに言えるわけもなく私はハイハイと流す事にした。
クロエと談笑しているとセドが私とクロエの間に割って入ってきた。
「……セド、なんで特別クラスのあなたがここにいるのよ」
「俺がいる方が売り上げ上がるでしょう?」
演劇は裏方なんで今暇なんです、と勝手に私のクラスでボランティアに勤しんでいるセド。
しかも公爵家の仕着せである執事服で。普段学園内では制服姿のセドが、執事服を身に纏い、執事のような対応をしている。
そんな彼を一目見ようと押し寄せる淑女の皆様。
さすが攻略対象。隠しキャラなだけあって集客率もチートだわ。
そんなわけで他クラスのセドがいるというのに誰も異議を唱えない。
「全く。なら学生らしく学内周ってくればいいでしょう?」
たまには羽を伸ばせばいいのに、と呆れる私に。
「俺的にお嬢のそんな姿見られるなんてご褒美でしかないんで、充分楽しんでますよ」
宝石みたいに綺麗な金色の瞳が揶揄うようにそう笑う。
「本職なら絶対ありえない絶妙な丈のメイド服とニーハイとローファーによって惜しげもなく晒されるお嬢の脚線美! ドジっ子メイド案も良かったですけど、やっぱお嬢はツンデレ属性で正解でしたね」
いいね、と言わんばかりに親指を立てるセド。
いや、いいんだけど。
やろうっていったの私なんだけど。
でもさぁ、公爵家に仕える身としては一応止めようよ?
なんか改めて言われると居た堪れなさを覚えるわ。
「……あなた、本気で楽しんでるわね」
「後でお嬢のメイド姿公爵家および城内にばら撒いて布教しようかと思うレベルで楽しんでます」
公爵様にお嬢の勇姿を撮影してこいって頼まれました、と映像記録水晶片手にとんでもないことを言い出した。
「はぁ? ちょっと、私聞いてないわ! というか絶対やめて頂戴」
流石にそれは恥ずかし過ぎる。
「いやまぁでも俺の雇い主公爵様なんで」
お嬢の側にいられるなら俺は喜んで権力に屈しますと、セドは堂々と主人である私の事を売る。
「お父様めぇーーーー!」
ふるふると肩を振るわせる私に、
「公爵様はともかく、城内布教はダメよ! こんな可愛いリティカ様を晒して攫われでもしたらどうしてくれるの?」
学園祭の準備を通して親しくなった体で通しているクロエがセドを止める。
「そこは俺が全力でお嬢をお守りしますのでご安心を」
恭しく礼をしてにこっと微笑むセド。リティカ強火担のセドは私に優しい相手には基本的に友好的だ。
そんなセドの笑顔の破壊力は相当だったようで、顔を赤らめたクロエは、
「私、カップリング固定だったのですけれど、主従カプも推せる気がしてきましたわぁ」
一途な純愛系も推せると両手を頬にあててそんな事を宣う。
「お嬢、愉快な友達できてよかったですね」
「……クロエ、私で妄想するのはやめて頂戴。切実に」
これを愉快で済ませられるのはクロエの本気度を知らないからよとそんなことセドに言えるわけもなく私はハイハイと流す事にした。