追放予定(希望)の悪役令嬢に転生したので、悪役らしく物語を支配する。
「信じられない、なら。俺がどれくらいリティカを愛してるか証明しようか」
悪戯っぽく口角を上げてロア様は私の頬を指先でなぞる。
ただでさえロア様の色香に当てられて真っ赤になっているだろう私の顔の熱がさらに上がる。
心臓が壊れそうなくらい早い。思わず視線を逸らしたその先で、私は自分の手首に嵌められている魔力の制御装置のメーターが振り切っている事に気づく。
「ダメ。ロア様、私にこんな風に近づいて触ったら! 私さっき負荷をひとつ外したばっかりで、まだ自分じゃ魔力のコントロールできないんです。無闇矢鱈と余計な魔力に触れたら魔障の症状がっ!!」
さぁーっと血の気が引いた私は我に返ってロア様を引き剥がそうと試みる。
が、私の力では全くびくともしない。
クスッと笑ったロア様は、
「俺の体質って一応国家機密扱いだったし、リティカは知らないはずなんだけど?」
さっきから当たり前のように口にしているけれどと揶揄うようなロア様に私は返答に詰まる。
異世界でエタラブプレイした乙女なら周知の事実です、などというわけにもいかないので。
「えっと、それは……じゃなくて! とにかく離れて」
言い訳なんて思いつかないけれどとにかく、この状況を回避しなくてはと焦るのに、何故かロア様はさらに私を抱きしめる。
「もう! ロア様!! お身体に障ったら」
「こんな時でも、リティカは俺の事を気遣ってくれるね」
「そんなの当たり前じゃないですか! 早く離れ」
言いかけた私の言葉はそれ以上口から出る事なく消える。
柔らかい感触が私の口を塞ぎ、私の目には濃紺の瞳しか映らない。
「当たり前、じゃないよ。リティカのそういうとこが、好き」
僅かに離れた唇は、
「魔障、もう治ってるから。大丈夫か試してみようか」
そんな言葉をこぼして再び重なる。
驚いて目を瞬かせたのは一瞬で。
好きな人と思い合ってするキスがこんなに気持ちいいなんて知らなくて。
自覚してしまった恋心を拒否なんて、できるはずもなく。
何度も角度を変えながらはむようにキスをされ、息継ぎの度に愛してると囁かれた私の思考は溶けてしまって。
ロア様がとても大事そうに私を扱うから、彼の目に映る恋情を信じたくなってしまった。
さすがに息苦しさを覚えて軽く押せばロア様が名残り惜しそうに私から離れる。
「リティカ、可愛い」
つっと私の唇を指で撫でたロア様にそう言われて、私は恥ずかしくなりロア様の胸に顔を埋める。
「私、でいいんですか? 私、独占欲強いからきっと手放してあげられませんよ」
「リティカがいいんだ。リティカの気持ちがわかった以上手放してあげる気さらさらないから、俺と結婚してくれる?」
そろそろ国に帰って来て欲しいと髪を撫でながら優しくそう請われた私は、静かにゆっくり頷く。
「良かった」
そう言って私の顎に指をかけ顔を上げさせたロア様は、
「一生、大事にする」
誓う様にキスをする。
「私も、ロア様の事一番に大事にします。私の愛は重いので覚悟してくださいね」
愛しています、と自分から軽くロア様に口付けた。
驚いた顔をしたロア様は、唇が離れた途端、
「足らない」
「ロア……ん、あっ」
ロア様はそう言って今までよりも深く深く口付ける。
「リティカの方こそ、覚悟してね?」
何もかも絡め取られそうなキスに溺れて、何も考えられなくなった私が、そう囁かれた言葉の意味を知るのはもう少し先のお話。
悪戯っぽく口角を上げてロア様は私の頬を指先でなぞる。
ただでさえロア様の色香に当てられて真っ赤になっているだろう私の顔の熱がさらに上がる。
心臓が壊れそうなくらい早い。思わず視線を逸らしたその先で、私は自分の手首に嵌められている魔力の制御装置のメーターが振り切っている事に気づく。
「ダメ。ロア様、私にこんな風に近づいて触ったら! 私さっき負荷をひとつ外したばっかりで、まだ自分じゃ魔力のコントロールできないんです。無闇矢鱈と余計な魔力に触れたら魔障の症状がっ!!」
さぁーっと血の気が引いた私は我に返ってロア様を引き剥がそうと試みる。
が、私の力では全くびくともしない。
クスッと笑ったロア様は、
「俺の体質って一応国家機密扱いだったし、リティカは知らないはずなんだけど?」
さっきから当たり前のように口にしているけれどと揶揄うようなロア様に私は返答に詰まる。
異世界でエタラブプレイした乙女なら周知の事実です、などというわけにもいかないので。
「えっと、それは……じゃなくて! とにかく離れて」
言い訳なんて思いつかないけれどとにかく、この状況を回避しなくてはと焦るのに、何故かロア様はさらに私を抱きしめる。
「もう! ロア様!! お身体に障ったら」
「こんな時でも、リティカは俺の事を気遣ってくれるね」
「そんなの当たり前じゃないですか! 早く離れ」
言いかけた私の言葉はそれ以上口から出る事なく消える。
柔らかい感触が私の口を塞ぎ、私の目には濃紺の瞳しか映らない。
「当たり前、じゃないよ。リティカのそういうとこが、好き」
僅かに離れた唇は、
「魔障、もう治ってるから。大丈夫か試してみようか」
そんな言葉をこぼして再び重なる。
驚いて目を瞬かせたのは一瞬で。
好きな人と思い合ってするキスがこんなに気持ちいいなんて知らなくて。
自覚してしまった恋心を拒否なんて、できるはずもなく。
何度も角度を変えながらはむようにキスをされ、息継ぎの度に愛してると囁かれた私の思考は溶けてしまって。
ロア様がとても大事そうに私を扱うから、彼の目に映る恋情を信じたくなってしまった。
さすがに息苦しさを覚えて軽く押せばロア様が名残り惜しそうに私から離れる。
「リティカ、可愛い」
つっと私の唇を指で撫でたロア様にそう言われて、私は恥ずかしくなりロア様の胸に顔を埋める。
「私、でいいんですか? 私、独占欲強いからきっと手放してあげられませんよ」
「リティカがいいんだ。リティカの気持ちがわかった以上手放してあげる気さらさらないから、俺と結婚してくれる?」
そろそろ国に帰って来て欲しいと髪を撫でながら優しくそう請われた私は、静かにゆっくり頷く。
「良かった」
そう言って私の顎に指をかけ顔を上げさせたロア様は、
「一生、大事にする」
誓う様にキスをする。
「私も、ロア様の事一番に大事にします。私の愛は重いので覚悟してくださいね」
愛しています、と自分から軽くロア様に口付けた。
驚いた顔をしたロア様は、唇が離れた途端、
「足らない」
「ロア……ん、あっ」
ロア様はそう言って今までよりも深く深く口付ける。
「リティカの方こそ、覚悟してね?」
何もかも絡め取られそうなキスに溺れて、何も考えられなくなった私が、そう囁かれた言葉の意味を知るのはもう少し先のお話。