岩泉誠太郎の恋
「誠太郎が直接社長に会って結婚できない理由を正直に話すんだよ。その上で、今後お互いにとっていい関係を築きたい気持ちがあることを伝える。そこで、一番の友人で凄く優秀な俺を紹介するわけよ。俺は一応三角の専務の息子だし、お嬢様の相手としてはそう悪くもない。写真を見て一目惚れしたらしく紹介を頼まれたって言えばいいじゃん?」
「一目惚れって、、」
「いや、そういう問題じゃない。いくらなんでも啓介にそこまで協力してもらうわけにはいかないよ」
「いやいや、協力っていうか。相手さえ受け入れてくれたら、俺にとっては凄くいい話じゃない?ずっと誠太郎の仕事を手伝ってたからITはずぶの素人じゃないし、純粋にコンサルに興味もある。何よりうまくいったら地味に逆玉じゃね?ワンチャン俺も社長になれるかも?」
半ば啓介に押しきられるような形で、見合い相手の親である、アーキーコンサルの三枝社長に会いに行くことになった。
さすがは自身で会社を立ち上げ大きくしただけのことはある。父さんとはまた違う、風格のある人物だった。
握手をし、お互いに挨拶を交わす。
「はじめまして、三枝です。お父さんには仕事で何度かお会いしてるんだけど、誠太郎君の噂はあちこちで耳にしてるよ。会えて光栄だな。で?今日はどういった要件なのかな?」
一通り話をすると、彼の関心は娘の結婚よりも啓介にあるようだった。愛のない政略結婚で娘を嫁に出すより、俺の親友である啓介を会社に取り込む方がより強い繋がりを生むと判断したのだろう。
後日改めて三枝社長に啓介を紹介した。彼は啓介をいたく気に入り、娘との見合い話にも乗り気になった。
「いやー。俺、次男で本当良かったわー」
啓介はお嬢さんにも気に入られ、清く正しい交際がスタートしたらしい。
怖いくらいにトントン拍子で話が進んだ。
啓介はアーキーコンサルに転職し、その後三枝家に婿入りすることが決まった。
俺が見合い写真を渡されてから、まだ半年も経っていない。元々啓介ができる男なのは知っていたが、ここまで彼の思惑通りにことが進んだことには恐れをなした。
啓介を敵に回すのは得策ではない。アーキーコンサルとはこれ以上ない繋がりができたと確信し、無事父さんの条件をクリアした。
DX認定に関してはそれなりに手はかかるが、難易度としてはそう高くないだろう。
ようやく、彼女とのことに取りかかることができるのだ。
「一目惚れって、、」
「いや、そういう問題じゃない。いくらなんでも啓介にそこまで協力してもらうわけにはいかないよ」
「いやいや、協力っていうか。相手さえ受け入れてくれたら、俺にとっては凄くいい話じゃない?ずっと誠太郎の仕事を手伝ってたからITはずぶの素人じゃないし、純粋にコンサルに興味もある。何よりうまくいったら地味に逆玉じゃね?ワンチャン俺も社長になれるかも?」
半ば啓介に押しきられるような形で、見合い相手の親である、アーキーコンサルの三枝社長に会いに行くことになった。
さすがは自身で会社を立ち上げ大きくしただけのことはある。父さんとはまた違う、風格のある人物だった。
握手をし、お互いに挨拶を交わす。
「はじめまして、三枝です。お父さんには仕事で何度かお会いしてるんだけど、誠太郎君の噂はあちこちで耳にしてるよ。会えて光栄だな。で?今日はどういった要件なのかな?」
一通り話をすると、彼の関心は娘の結婚よりも啓介にあるようだった。愛のない政略結婚で娘を嫁に出すより、俺の親友である啓介を会社に取り込む方がより強い繋がりを生むと判断したのだろう。
後日改めて三枝社長に啓介を紹介した。彼は啓介をいたく気に入り、娘との見合い話にも乗り気になった。
「いやー。俺、次男で本当良かったわー」
啓介はお嬢さんにも気に入られ、清く正しい交際がスタートしたらしい。
怖いくらいにトントン拍子で話が進んだ。
啓介はアーキーコンサルに転職し、その後三枝家に婿入りすることが決まった。
俺が見合い写真を渡されてから、まだ半年も経っていない。元々啓介ができる男なのは知っていたが、ここまで彼の思惑通りにことが進んだことには恐れをなした。
啓介を敵に回すのは得策ではない。アーキーコンサルとはこれ以上ない繋がりができたと確信し、無事父さんの条件をクリアした。
DX認定に関してはそれなりに手はかかるが、難易度としてはそう高くないだろう。
ようやく、彼女とのことに取りかかることができるのだ。