(短編)ありがとうって言いたい☆
3.ありがとうって言いたい!
「…さてっ!帰るか!!」
朱美がそう言って立ち上がる。
あれから、あたし達は時間を忘れ、ずっと話に夢中になっていた。
気付いた時には、もう辺りが薄っすらと暗くなり始めていた。
ひっそりとした、夕暮れの教室を後に―
あたし達は、靴に履き替え校内を出た。
いつもは部活動に精を出している生徒の姿があるはずの校庭にも、もうあたし達の他には誰も見つからなかった。
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