図書室の姫




俺はあの後どうやって家に帰ったかわからない。


気付いたら家の前まで来ていた…




────────…
─────…


「ただいま…」


ガチャン…




はぁ…
いい加減慣れないといけないのに、女々しいな。


俺は今一人暮らしをしている。

家事は嫌いじゃないし、綺麗好きだと思う。
だから部屋には必要最低限のものしか置いていない。


ふと目を何気なく机の上に落とすと封筒が一つ置いてあった。


俺の親は、毎月一回俺がいないとき家にきて生活費を置いていく…

額は余るくらい入っているので困ったことはない…


そんな俺が唯一困っていることとしたら、



放課後に久野充美に会ってからずっと胸がドキドキしていることだ…




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