図書室の姫



──ス…


「…えっ……」


俺は園見の横を握手もしないで通り過ぎた。



「おいッ!
…いくら女が苦手だからってそれは無いんじゃないのかよ!」



ヒロの大きい声でその場にいた生徒がこっちに注目している。


「うっ…ひっく……あたし何かしたかな…」


ヒロの隣で園見が肩を震わせて泣いていた。

「おい!なんか言えよ、岬!」
「俺は女が苦手なんじゃない。嫌いなんだ」



そう言ってただ前に歩いた…





─────────…

「ゴメンな…マイちゃん…俺からなんか言っておくからさ!」

「大丈夫だよっ!
あたしも悪かったかもしれないし…さ!」

「マイちゃん…カワイイ!」


ギュッ


キャーー!!

周りの女の子が嫉妬して悲鳴を上げている。

「きゃあ!セクハラデスヨ」

「ゴメ〜ン!」

─────────…
───────…




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