図書室の姫
俺の視線に気付いたのか久野がこっちに顔を向けた気がした。
前髪で顔が見えなかったけど…
「…おはよ!」
俺が軽く手を挙げて久野に向かって言いに近づいた。
久野はびっくりしてたみたいだけど、
「おはよぅ…」
ちゃんと返してくれた。
「行こうぜ」
「そうだな」
俺たちは校舎へと歩きだした。
────────…
「嘘…だろ…
岬が女と喋った…
しかも自分から話しかけた…
喋ったぁあ!?」
────────…
────…
「っ……」
その時、俺たちを睨んでいたヤツがいたなんて思いもしなかったんだ…