「勝手に殺すなよ。」

「へ…?」

聞いたことのある声だった。

そこには、生きてる裕がいた。

「裕ーーー!!!」

「あ~はいはい。」

「生きてたああーーー!!」

「生きてるよ……。」

「ラブラブなとこ、すみません…」

雅也君が扉の横に立っていた。

「なんで、お前ちゃんと言わないんだよ!」

「だって…友梨亜ちゃん走って行っちゃったから……」

「え? あたし!?」

「まあ…よかったじゃん?」

「よくないから!」

「で…結局なんで、ここにいるの?」

「あ~…なんか、ただの疲れらしいよ?」

「ふ~ん…じゃあ、帰る!」

「え?」

「だって、たいしたことないんでしょ?

あたし…授業あるから。」

「あ!そっか…ごめん。」

「じゃあ! バイバ~イ!」

今、思えば…

もう運命なんて決まってたんだよね。

あたしたち…

もう、このころから分かってたんだよ。

「いいの? 言わなくて…」

「いいんだよ。あいつは、知らなくて…

苦労かけたくないし。」


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