季節は、夏から秋に変わり…

少しずつ寒くなっていった。

あたしはまだ、あのときのことが忘れられないでいた。

まだ、裕を信用できないでいた。

「裕…明日、何の日だか覚えてる?」

「明日……?」

「うん…」

「明日…?」

裕…覚えてて!

必死で祈った。

「…彩華の誕生日だ!」

「そーなんだ…」

違う。 明日は……

「何プレゼントしよっかな~……」

あたしの誕生日だよ。

裕……忘れちゃったの?


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