「そっ。じゃあ、いいよ。」

「え…?」

「じゃあいい。もう、忘れなよ。」

「奈津……」

「友梨亜が自分でちゃんと決めたことならうちは、何も言わない。」

奈津は、そう言って今日は楽しもうと言ってくれた。

あたしも、裕のことは忘れることに決めた。

その日…たくさん食べた。

食べた分、裕を忘れられる気がした。

「じゃあ、バイバイ~!」

奈津が家まで送ってくれた。

「ばいばい。」

あたしは、そう言って家に入った。

携帯を確認すると

『メール1件』の文字

確認をした。

裕からだった。

『友梨亜へ

ごめん。メールなんかして…

電話してもつながらなくて……

やっぱ、俺別れたくないよ。

友梨亜と一緒にいたい。

これ見たら、連絡頂戴。』

あたしは、馬鹿馬鹿しいと思った。

でも…不思議と涙が出たんだ。

携帯の画面に滴が落ちた。

『ごめん。別れよ。

うちら、一緒にいない方がいいよ。』

それだけ打って、送った……。

裕のアドレスを消すとき…

『削除しますか?』の文字。

もちろん、答えは『はい』なのに…

手が震えて、ボタンを押せない。

押そうとするほど、手が震えてしまう。

『削除しますか?』

『はい』
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