「裕……」

「帰るわ。」

「本当に!?」

「ああ…」

裕は、そのあともなぜか冷たかった。

元の関係になんか戻れない…。

「痛っ!」

「何?」

「靴ずれ…」

「はあ?」

「急いでて…適当にはいてきたから…」

「ばっかじゃねーの?」

裕が笑った。

「だよね!」

「てか、左右…靴ちげーし。」

「あはは…」

裕は、いきなり中腰になった。

「はい。乗れよ。」

「え?」

「いいから。歩けねーんだろ?」

「うん…」

「だったら…いいから乗れ!」

「ありがとう。」

裕の背中…大きくて、温かかった。
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