先輩に別れ話を告げられてから…

1週間が経った。

あたしは、まだあの時から時間が経っていない。

まだ、忘れられないでいた。

そんなあたしを思ってか…

奈津が、彼氏の友達を紹介してくれた。

「はじめまして。 雅也の友達の裕です。」

雅也というのは、奈津の彼氏だ。

「は・はじめまして…友梨亜です。」

緊張してはいたが

第一印象をちゃんと覚えている。

初めて会った裕は

優しい雰囲気をもった男の子だった。

その日から、4人で遊ぶようになった。

裕は、2歳も年上だけど…

笑顔が無邪気で

スゴく子供っぽいところがあった。

カッコつけない素の裕が、心からカッコいいと思えたんだ。

でも、先輩と重ねてみてしまう…。

どうしても、先輩と似ているところがあると、

先輩を思い出してしまうんだ…

裕には、裕のいいところがある。

それなのに…

全て、先輩と比べてしまっていた。

重ねてみてしまっていたんだ……

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