甘の弱な君が好き【完】
転校初日の悲劇
「んー、日本だー!JAPAN!」
空港のど真ん中、荷物を受け取って、やっと入国が済んだ母国のこの土地で両手を広げる
肺いっぱいに吸い込む、日本の空気
やっぱり日本最高〜!
「藍、何してるの〜、早く行くわよ」
「あ、うん!」
先を歩くお母さんに声をかけられて、急いで歩き出す
いけない、いけない、久しぶりの日本にまったりしてる場合じゃなかった。
ドンーーー
大きいキャリーケースを引っ張り歩く私に、突然襲いかかった衝撃
「いたっ、」
思わず声が出て、振り向けば男性が1人倒れ込んでいた。
私はほぼノーダメージなのに、大きいキャリーケースの威力すごい…
「すみません、大丈夫ですか?」
急いで、倒れ込む男性に近づいて顔を覗き込む
「…あ、はい。」
私に目も合わせず、小さく呟いたその人は、
「っ、」
息を呑むほど、美しかった。
俗に言うイケメン。海外で見てきたイケメンとはまた違う。
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