甘の弱な君が好き【完】
「言ったよな?…俺のことは好きになるなって」
気持ちを吐き出して認めた途端に、下がる目の温度
冷たい声
その言葉に私は何も言えないまま
「…なら、パシリはクビだな」
目に色のない北浜さんが諦めたように俯く
現実は受け入れてくれるほど甘くはない。
胸が鉛のように重たい
分かっていたのに、自業自得なのに酷く落胆している私はバカだ
「…分かりました。ごめんなさい。」
もうこれで、終わりだ。
とめどなく溢れる涙、何度拭ってもどうしようもないくらい、溢れた。
それくらい好きなんだ。
北浜さんは私の涙に、今までにないくらい苦しそうな顔をして、何かを我慢するかのように私から目を背けた。
…最初からそういう約束だった。
破ったのは自分
きっともう私が応用室へ行くことはない。