甘の弱な君が好き【完】
もう耐えられない、って表情だった。
いつから?なんて疑問が頭を巡って、
あの光景が絶え間なく浮かぶ。
横柄な性格だって曝け出して、こんな顔がいいだけの俺を好きなあいつはどうかしてる。
藍のことばかり考える俺も…どうかしてる。
「…それでパシリクビ発言?」
紫苑さんは呆れたような表情を浮かべた。
「…しょうがないだろ。最初から注意してたんだから」
最初から藍には忠告してた。
あいつだって、『誰もがあなたを好きなると思ったら大間違いですから!!かっこいいからって勘違いしないでください』なんて怒ってたのに。
もう、どうしたらいいんだよ…俺だってあの時はパニックだったんだ。
「はあ、それにしてもだろ。パシリクビって何って感じだし。」
紫苑さんは頭を抱えながら俺を見上げた。
自分が、最低なのはとうの昔に自覚している。