甘の弱な君が好き【完】

「橙真はもっと人の気持ち考えた方がいいよぉ〜」



いつも通り笑う緑の目の奥は、無色だった。


確かに、あの振り切り方はあまりにもだったよな。



「俺は最近の橙真好きだったけどな。」



「橙真変わったよね」




「前までの棘がなくなって、『ありがとう』とか『ごめん』とかちゃんと言うようになった」


嬉しそうにそう言ってくれる紫苑さん



「あと表情も豊かになった」



最近よく笑うと周りの人にも言われるようになった。



「全部全部、藍ちゃんのおかげだと思ってたんだけどなぁ」



紫苑さんのその言葉に思わず身体が反応する



「…なんであいつが関係するんだよ」




「藍ちゃん、表情豊かで、礼儀正しい子だから。」



一緒にいる藍ちゃんのおかげでしょ、と微笑む緑。


緑はいつもそういう。どんだけあいつのこと気に入ってるんだか。
< 149 / 222 >

この作品をシェア

pagetop