甘の弱な君が好き【完】

「藍ちゃんの力は偉大だったのにな。」



俺が棘がなくなったのも、全部全部あいつのおかげだって2人は言いたいんだろうけど、




そんなの俺が一番よく分かってんだよ。



藍の笑顔や性格は人に伝染していく凄さがある。だから俺も前より気張らず、笑って過ごせるようになったような気がする。



告白なんて何回も断ってきたし、何回も目の前で泣かれたこともある。



慣れたもんなのに



なのに、こんなにも心が痛む理由がわからないんだ。



なんであいつの時だけこんなに苦しいんだよ。



「なんでもいいけど、お前は勝手すぎるんだよ。仲直りしろよ〜」



「…分かってる」



仲直り?なのか?



あいつは俺を許してくれるのか?



自分勝手なんだよ俺は。



自分からパシリにして、告白されたから突き放した。



でもこのままずっと一生話すことがないなんて、考えられないって思ってしまう俺は、最低のクソ野郎だ。
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