甘の弱な君が好き【完】
「なんだよ」
「聞きました。全部」
その表情は今までにない怒りに満ちた表情
「なに、」
「藍先輩、泣いてました。……これ以上、藍先輩を中途半端に関わって、傷つけないでください。」
…青の言ってることは何も間違ってない。
頭ではその言葉の意味を理解してるのに、心が狭くなってモヤモヤしてしかたがない
でも、ふざけるな。
「別に中途半端に関わってなんてない。」
言葉を呑み込むことが出来ず、言い返してしまう。
その瞬間、がっと青の顔が変わった
一瞬で胸ぐらを掴まれて、壁際に追い込まれた。
「嘘つくなっ、だから藍先輩は泣いてんだろ!」
…本気の目をしてる。
こいつ本当に藍のこと心から好きなんだ。
青の気持ちと、俺の気持ちを天秤にかけたら、確かに俺の気持ちは中途半端かもな。
「俺なら藍先輩をあんなふうに泣かせない」
今の俺はこの熱量には敵わない。
というか、かなうわけがない。
俺はただ藍をこき使っていた、最低な男だ。
こんな純粋に藍を思っている青を選んでほうがいいに決まってる
「もうこれ以上関わるな。」
釘を刺すような目
そのまま俺を解放して去っていった
あー…もうなんだんよ、
いちいち心が荒れるんだ。
「んだよっ、くそ、」
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