甘の弱な君が好き【完】

「誰かさんが藍ちゃんクビにしなければなぁ」



わざとらしく言いやがって…


だからあの時はパニックだったんだって。



それに俺たちはアイドルだ。


うちの事務所はそれほど恋愛にうるさいわけでも、禁止されてるわけでもないけど、自分が商売道具だってことを自覚してるからあまり恋愛をする人もいない。


特に俺たちmoreは事務所の看板で、今が頑張り時だし、愛だの恋だの言ってる暇はない。



「恋愛なんて、してる暇ねぇだろ。」



「でも、橙真に気持ちがないとは思わなかったのになぁ」



じとっとした目線が向けられる。


こいつ、揶揄いやがって。



「何言ってんだよ」



「…さぁ、そろそろ教室戻ろっか」



はぐらかすように立ち上がる緑



時計を確認すると予鈴がなるまであと2分


やばい、ギリギリじゃん。
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