甘の弱な君が好き【完】
「青くんの気持ち知っておきながら、北浜さんの話なんて無神経だった。」
「俺は別に、」
「あと、ありがとう」
「え?」
泣きそうな顔をする青くんが、いつもよりも可愛らしい
「その怒りは私を思っての青くんの優しさでしょ?嬉しいよ」
「っ、」
端正な顔を歪ませたまま強引に引き寄せられて、青くんの温もりに包まれた
だっ、抱きしめられてる
「青くん!?離してっ」
私の願いに反して、さらに強く回る腕
アメリカの挨拶でしてたようなハグとは違う。胸がうるさくて仕方がない。
「5秒だけ」
縋るような甘い声に何も言えなくなって、
「藍先輩、早く俺のこと好きなってよ」
表情が見えない青くんは、私の耳元でそう囁いた。