甘の弱な君が好き【完】

みんなで別荘に行った時、藍だけプレゼント用意してくれてなかったのってそういうことか?


本当はあったけど、俺に渡さなかった?



胸が、痛い



「ねえ、橙真は本当に藍ちゃんのことただのパシリとしか思ってないの?」


緑の心地いい声に、



「そろそろ気づいてるんだろ?」



悟るように微笑む紫苑さん






…もう、認めないと、






「…好きなんだと思う」





いつの間にか藍のこと好きになってた。


確信を持ったのはさっきの笑顔


恋なんて今までしたことないけど、経験したことのないこの胸の痛みと、


絶え間なく浮かぶ藍の顔が何よりも証拠だと思う。



「じゃあ何も悩むことはないじゃん」



「でも、」



俺らは、アイドルだから。



恋してる暇なんて…



「じゃあ藍ちゃんを諦めて、橙真は幸せに過ごせる?」



俺の言おうとしていることを見透かしたように、緑はそういう。



なんでもお見通し



「現にパシリをクビにしてからの橙真は、ずっと上の空だったけど?」


…確かに



「凡ミスもたくさんしてたよねぇ」



「……」


ここ最近の仕事は本当にありえないくらいミスを繰り返してた。
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