甘の弱な君が好き【完】
「うん、見たよ。とんだデマだよね」
なるべく何でもないように接することにしなきゃ
『…一般コースでなんか言われてないですか?』
「大丈夫だよ」
『俺のせいですみません。』
電話の奥で申し訳なさそうな声が聞こえて、胸が痛くなる。
青くんのせいじゃないし、私がもっと気をつけていれば、こんなことにはならなかったのに
「全然。青くんのほうこそ、大丈夫なの?」
『俺は大丈夫です。…ちょっと社長に怒られたくらいですかね』
「怒られたのやっぱりだめじゃん」
すると青くんの笑い声が聞こえて
『いや俺はいいんですよ。ただ一般コースでは騒ぎになってるんじゃないかなって、心配で。』
デタラメの記事に、ドラマの撮影、他にも考えることがたくさんあるはずなのに、こうして気を遣ってくれる青くんは本当に凄い。
「ありがとう」
『藍先輩、何かあったらすぐ言ってくださいね』
いつにも増して温かい声
「うん、わかった。」