甘の弱な君が好き【完】
「遊んでないし。そういうことは出来ない」
「どうして?私ずっと橙真くんのこと好きだったんだよ?なんで?」
「だからって出来ないよ」
「いやだ!ちゃんと真白を納得させてよ!藍ちゃんのこと本気だって。」
泣きじゃくって親を困らせる子供のように駄々をこね始める真白
真白は昔からそうだ、気に入ったものを取られそうになると全力で抵抗する
「落ち着けって」
真白がこうなるともう誰にも手がつけられない。
「明後日の体育祭で一位になって、MVPとってよ」
そう言ってくる目は、挑発的で怪しく光っていた。
「は?そもそもチケットなんて」
うちの体育祭の倍率知ってるのか?
何名義申し込んでも当たらないで有名だし、配信があるわけでもないのに。
「あるの。本当はそれを見にこっちに来た」
真白の手には確かに体育祭のチケット
…こいつ、強運すぎる。