甘の弱な君が好き【完】

「遊んでないし。そういうことは出来ない」




「どうして?私ずっと橙真くんのこと好きだったんだよ?なんで?」



「だからって出来ないよ」



「いやだ!ちゃんと真白を納得させてよ!藍ちゃんのこと本気だって。」



泣きじゃくって親を困らせる子供のように駄々をこね始める真白


真白は昔からそうだ、気に入ったものを取られそうになると全力で抵抗する



「落ち着けって」



真白がこうなるともう誰にも手がつけられない。



「明後日の体育祭で一位になって、MVPとってよ」


そう言ってくる目は、挑発的で怪しく光っていた。



「は?そもそもチケットなんて」


うちの体育祭の倍率知ってるのか?


何名義申し込んでも当たらないで有名だし、配信があるわけでもないのに。



「あるの。本当はそれを見にこっちに来た」


真白の手には確かに体育祭のチケット



…こいつ、強運すぎる。

< 192 / 222 >

この作品をシェア

pagetop